大腸癌 EFC4584

Leucovorin and Fluorouracil With or Without Oxaliplatin as First-Line Treatment in Advanced Colorectal Cancer.

de Gramont A, Figer A, Seymour M et al. J Clin Oncol. 2000 Aug;18(16):2938-47. [PubMed]

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対象疾患 治療ライン 研究の相 主要評価項目 実施地域 日本の参加
大腸癌 一次治療 第3相 無増悪生存期間 国際 なし

試験名 :EFC4584

レジメン:FOLFOX4 vs LV5FU2

登録期間:1995年8月〜1997年7月

背景

切除不能進行再発大腸癌の予後は不良であるが、化学療法により生存期間が延長しQOLが改善することが示されている。過去40年以上、初回治療として5-FU以上に有効な薬剤はなく、ロイコボリンとの併用により奏効割合は改善したものの、生存期間延長への寄与は示せなかった。国際的に標準とされる5-FU/LVレジメンは定まっていないが、一般的にMayoレジメン(5日連日/4週毎の静注法)が第3相試験の対照群として用いられている。最近、LV5FU2レジメン(急速静注+持続静注/2週毎)がMayoレジメンと比較し、全生存期間は改善しないものの、奏効割合、無増悪生存期間、安全性に関して優れていることが示された。
新規の殺細胞性抗癌薬であるオキサリプラチンは他の白金製剤と同様の作用機序を有するが、シスプラチンやカルボプラチンと比較し抗腫瘍効果が異なる。オキサリプラチン単剤では第2相試験において10〜24%の奏効割合を、また基礎的検討では5−FUとの併用で相乗効果を示し、第2相試験では5-FU/LV療法との併用で20〜50%を超える奏効割合を認めた。以上より、LV5FU2療法とオキサリプラチンとの併用療法(FOLFOX4)を比較した第3相試験(EFC4584)を実施した。

シェーマ

統計学的事項

主要評価項目:無増悪生存期間

LV5FU2群を対照としてFOLFOX4群が無増悪生存期間を3ヶ月延長することを検証(両側α=0.05、検出力=80%)。

試験結果:

  • 1995年8月〜1997年7月の間に9カ国、35施設より420例が登録された(各群210例)。
  • 患者背景に大きな隔たりは無かったが、PS、CEA値、ALP値がLV5FU2群で良好な傾向であった。
  • 有効性の評価から7例が除外された(FOLFOX4群 3例、LV5FU2群 4例)。
  • データカットオフは1998年12月1日、観察期間中央値は27.7ヶ月。
1. 無増悪生存期間 (主要評価項目)
中央値 p=0.0003
FOLFOX4 9.0ヶ月
LV5FU2 6.2ヶ月
2. 全生存期間
中央値    p=0.12   
FOLFOX4 16.2ヶ月
LV5FU2 14.7ヶ月
3. 奏効割合
奏効割合 p=0.0001
FOLFOX4 50.7%
LV5FU2 22.3%
4. 奏効までの期間
中央値
FOLFOX4 9週
LV5FU2 12週
5. 転移巣切除割合
転移巣切除割合
FOLFOX4 6.7%
LV5FU2 3.3%
6. 有害事象
FOLFOX4 LV5FU2
Grade 1 2 3 4 1 2 3 4 P (Grade 3/4)
好中球数減少 14.3 14.3 29.7 12.0 16.3 8.6 3.8 1.5 <0.001
血小板数減少 62.2 11.5 2.0 0.5 26.5 2.4 0.5 0.0 NS
貧血 59.8 23.5 3.3 0.0 57.7 21.2 1.5 1.0 NS
感染 17.7 6.7 1.5 0.0 15.9 5.8 1.0 0.5 NS
悪心 44.0 22.5 5.7 - 40.4 11.1 2.0 - 0.043
嘔吐 24.0 24.4 4.3 1.5 18.3 9.1 1.5 0.5 0.043
下痢 30.6 16.3 8.6 3.3 27.9 10.6 3.8 1.5 0.015
粘膜炎 24.9 12.9 5.3 0.5 25.0 9.1 1.5 0.0 0.019
皮膚障害 19.6 9.1 0.0 0.0 20.2 10.6 0.0 0.5 NS
脱毛症 15.8 1.9 - - 15.4 3.4 - - -
神経障害 20.6 29.2 18.2 - 9.1 2.9 0.0 - <0.001
7. Grade 2/3神経障害の発現時期 (FOLFOX4群)
Grade 2神経障害の頻度 Grade 3神経障害の頻度
10% 25% 50% 10% 25% 50%
発現時期、サイクル 3 8 10 9 12 14
8. Grade 3神経障害の改善期間 (FOLFOX4群)
中央値
13週
9. 二次治療への移行割合
割合
FOLFOX4 60.5%
LV5FU2 58.1%
結語
切除不能進行再発大腸癌に対する初回治療として、FOLFOX4療法はLV5FU2療法と比較し、認容性は許容可能でQOLを減じることなく無増悪生存期間を延長した。
執筆:静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 レジデント 瀧浪 将貴先生
監修:静岡県立静岡がんセンター 治験管理室 部長、消化器内科 医長 山﨑 健太郎先生

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