ESMO Congress 2019

LBA30_PR 大腸癌


LBA30_PR
Analysis of circulating tumour DNA (ctDNA) from patients enrolled in the IDEA-FRANCE phase III trial: Prognostic and predictive value for adjuvant treatment duration (ID 5478)

背景

 Stage III結腸癌根治切除例に対するオキサリプラチン併用術後補助化学療法の至適期間を検討したIDEA collaborationでは、再発リスクの低いT1-3N1症例に対しては3ヶ月間、一方再発リスクの高いT4かつ/またはN2症例には治療への認容性やレジメン、患者の希望などを考慮し3〜6ヶ月間実施するといったコンセンサスが得られている。IDEA-FRANCE試験1)では90%の患者がmFOLFOX6で治療され、3ヶ月間投与に比べて6ヶ月間投与の方が良好な結果を示し (3年DFS: 72.1% vs 75.7%; p=0.0110)、特にT4かつ/またはN2症例に対してmFOLFOX6を実施する場合は、6ヶ月間投与を選択すべきという結果であった(3年DFS: 58% vs 66%: HR=1.44; 95% CI 1.14-1.82)。一方、T1-3N1の場合は、3ヶ月間投与と6ヶ月間投与に有意な差はなかったことから毒性とのバランスを考え3ヶ月間投与も選択可能と考えられた (3年DFS: 81% vs 83%: HR=1.15; 95% CI 0.89-1.49)。最近、ctDNAはstage IIおよびstage III結腸癌根治切除例における重要な再発予測因子として注目されているが2) 3)、術後補助化学療法の強度や治療期間の予測因子としての意義は明らかになっていない。今回、IDEA-FRANCE試験に登録例におけるctDNAを測定し、その予後および治療期間(3または6か月間)における予測因子としての意義を検討した。

対象と方法

 ctDNAは、大腸癌を対象に開発および検証された方法に従って、デジタルPCR法を用いて2つのメチル化マーカー(WIF1およびNPY)を検出した4) 5) 6) 。DEAフランスのトランスレーショナルリサーチに同意した1345人のうち、ctDNAの測定が可能な血液サンプルがあり、化学療法開始前にサンプリングされた805人が対象となった。 まず、ctDNA測定患者群と非測定患者間で臨床病理学的因子とDFSの比較を行った。次に、ctDNA陽性/陰性間で臨床病理学的因子とDFSの比較を行った。さらに高リスクと低リスク患者間で、ctDNA陽性/陰性の6ヶ月および3ヶ月治療群でDFSの比較を行った。

結果

 IctDNA測定群/非測定群の臨床病理学的背景因子に大きな差異はなかったが、PS 0(77% vs 71%)およびT4および/またはN2(28% vs 23%)が、非測定群(1205人)よりも測定群で多かった。 ctDNAを測定した696 人がctDNA陰性、ctDNA 陽性が109人(13.5%)であった。 ctDNA 陽性例は陰性例と比較しT4および低分化型、穿孔が多かった。(表1)

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