Abstract SO-001 胃癌


Abstract SO-001
Multicenter phase I/II study of nivolumab combined with paclitaxel plus ramucirumab as the second-line treatment in patients with advanced gastric cancer. / Shigenori Kadowaki, et al.

背景

 抗PD-1抗体であるニボルマブは、ATTRACTION-2試験において、進行胃癌に対する後方ラインにおいて全生存期間の延長を示し1)、VEGFR-2に対する抗体薬であるラムシルマブは二次化学療法において、パクリタキセルとの併用で生存期間の延長を示した2)
 PD-1とタキサン系抗がん剤、PD-1とVEGFR-2の同時遮断によって、相乗的な抗腫瘍効果が得られることが報告されている。低用量のパクリタキセルはマウスにおいて樹状細胞のTLR4(Toll-like receptor 4)依存成熟を促進し、CD4をシフトさせる3)。PD-1とVEGFR-2の同時遮断はT細胞を誘導し、局所の免疫状態を活性化することで相乗的な抗腫瘍効果を導くことが報告されている4)
 以上より、進行胃癌に対する二次化学療法として、パクリタキセル+ラムシルマブにニボルマブを併用する3剤併用療法の安全性と有効性を検討する目的に本試験が行われた。

対象と方法

 本試験の対象は、20歳以上で測定可能病変を有し、ECOG PS(performance status) 0-1、フッ化ピリミジン系薬剤とプラチナ系薬剤とを含む一次化学療法に対し、不応あるいは不耐の進行胃癌/食道胃接合部癌患者とされた。
 主要評価項目は、第I相パートが用量制限毒性(DLT)の発現、第II相パートが6ヶ月無増悪生存割合とされ、統計学的設定は閾値 35%、期待値 50%、検出率75%、片側α=0.1と設定された。副次的評価項目は、第I相パートが有害事象、第II相パートが全奏効割合(ORR)、病勢制御率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、有害事象と設定された。また、PD-L1発現は、PD-L1 IHC28-8 pharmDx assayを用いた免疫組織化学法により測定し、腫瘍細胞における1%以上の発現をTumor proportion score (TPS)陽性と定義した。
 第I相パートでパクリタキセル 80mg/m2(1・8・15日目)、ラムシルマブ 8mg/kg(1・15日目)は固定され、ニボルマブはLevel 1:3mg/kg(1・15日目)、Level 0:1mg/kg(1・15日目)と設定し、DLTの評価後、決定した用量で第II相パートが行われた。

結果

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