ESMO Congress 2019

Abstract 2449 肝胆膵癌


Conversion rate in locally advanced pancreatic cancer (LAPC) after nab-Paclitaxel/Gemcitabine-vs。FOLFIRINOX-based induction chemotherapy (NEOLAP_AIO-PAK-013 Trial). 

First Author : V. Kunzmann, et al.

背景

 膵癌は、30%程度が局所進行切除不能と診断され1) 2)、多剤併用化学療法が推奨されているものの、最適なレジメンが何であるかは未だ明らかでない。
FOLFIRINOX療法とナブパクリタキセルとゲムシタビンの併用療法(以下、GnP)は遠隔転移を有する膵癌の標準治療である。このうち、ナブパクリタキセルは膵癌の線維性間質を減らすことで、膵癌病変における薬剤の拡散性を高めることが報告されており5) 6)、局所進行切除不能膵癌に対するGnP療法の有効性も報告されている3) 4)

局所進行切除不能膵癌が治療により切除可能となる割合(コンバージョン割合)は、比較的大きな多施設前向き研究の結果が報告されているが、5-15%とばらつきがあり4) 7) 8)、これらは画像所見のみにより切除可能性を判断している。
今回、LAPCに対してGnPまたはFOLFIRINOX療法のどちらがよりコンバージョン手術が可能となるか、審査腹腔鏡で検討する目的に本試験が行われた。

対象と方法

 本試験の対象は、化学療法歴のない、ECOG PS 0-1、Bill値 ≤2mg/dL である局所進行膵癌患者とされた。
主要評価項目はコンバージョン割合であり、GnP群が20%に対し、FOLFIRINOX群が40%であることを期待し、検出率80%のもと、10%の脱落例を見込んで168例が必要であるとされた。副次評価項目は、安全性、全奏効割合(ORR)、病勢制御割合(DCR)、CA19-9低下割合、病理学的奏効、無増悪生存期間(RFS)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)と設定された。
登録後、8週間のGnP療法後にランダム化し、GnP療法をさらに8週間継続するA群と、8週間のFOLFIRINOX療法に切り替えるB群に1対1の割合で割り付けられた。GnP療法はナブパクリタキセル125mg/㎡, ゲムシタビン1000mg/㎡ Day 1, 8, 15. 4週毎、FOLFIRINOX療法はオキサリプラチン85mg/㎡, イリノテカン180mg/㎡, ロイコボリン400mg/㎡, 5-FU 2400mg/㎡ Day1, 2週毎であった。

結果

 本試験には168例が登録され、うち165例が最初のGnP療法を受けた。さらにこのうち、130例がランダム化され、64例がA群に、66例がB群に割り付けられた。ランダム化されなかった35例の内訳は、21例が腫瘍増悪、7例が同意撤回、3例が有害事象、3例がプロトコール逸脱、1例がその他の理由であった。

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